チワワ・フレブル・パグ…人気犬種こそ夏の暑さに注意
「うちの子は元気だから、夏も大丈夫」。そう思っていても、犬は犬種や年齢、体格、呼吸のしやすさによって、暑さへの対応力が異なります。
特にフレンチブルドッグやパグのような鼻の短い犬種は、暑いときに体の熱を逃がすための呼吸がしにくく、熱中症への注意が必要です。また、シニア犬、子犬、肥満傾向の犬、厚い被毛を持つ犬も、暑い時期はいつも以上に室内環境を確認したいタイプです。
大切なのは「エアコンをつけているから大丈夫」と考えるのではなく、愛犬が実際に過ごしている床付近や窓際が暑くなっていないかを見ること。特に午後の西日が入る部屋では、エアコンを使っていても窓まわりだけ熱くなることがあります。
今回は、犬種による暑さへの違いと、今日からできる室内対策、窓から入る熱への対策を分かりやすく整理します。
犬は人のように全身から汗をかけません
犬は人のように全身から汗をかいて、体の熱を逃がすことができません。汗腺は主に肉球などに限られており、暑いときは口を開けて速く呼吸する「パンティング」が、体温を調節する重要な方法になります。
パンティングでは、舌や気道から水分を蒸発させ、そのときに熱を逃がします。そのため、気温だけでなく湿度が高い環境では、水分が蒸発しにくくなり、体を冷やしにくくなります。
いつもより激しいパンティング、よだれ、落ち着きがない、ふらつく、嘔吐する、ぐったりするといった変化は、暑さによる体調不良のサインである可能性があります。
激しいパンティングやふらつき、ぐったりした様子がある場合は、住まいの暑さ対策よりも愛犬の体調確認を優先してください。
涼しい場所へ移し、速やかに動物病院へ相談することが大切です。
チワワ|小型犬だから暑さに強いとは限りません
JKCの2025年犬種別犬籍登録頭数では、チワワは2位。日本でも多くのご家庭で暮らしている犬種です。
ただし、「体が小さいから暑さに特に弱い」と一律に判断する根拠は十分ではありません。小型犬だから暑さに強い、反対に小さいから必ず熱中症になりやすい、と決めつけないことが大切です。
確認したいのは、犬種名よりも実際に愛犬が過ごしている環境です。床付近、日差しの入る窓際、ケージの中、留守番中によく寝ている場所などは、人が立って感じる室温とは違うことがあります。
「エアコンをつけているから」と安心せず、愛犬のいる高さで温度や日差しを確認してみましょう。
フレブル・パグなど短頭種は特に注意
フレンチブルドッグやパグのような鼻が短く平たい「短頭種」は、夏の暑さに特に注意したい犬種です。
犬はパンティングによって熱を逃がしますが、短頭種は鼻や喉などの気道が狭くなりやすいため、呼吸による放熱が効率よく行えない場合があります。
実際に犬の熱関連疾患を調べた大規模研究では、フレンチブルドッグやパグなどの短頭種でリスクが高いことが報告されています。
シーズーも鼻が短いタイプの犬種です。呼吸音が大きい、少し動いただけでパンティングが激しくなるなど、普段の呼吸状態も含めて確認しておきたいところです。
JKCの2025年登録頭数では、フレンチ・ブルドッグ7位、シー・ズー10位、パグ12位。決して珍しい犬種ではなく、多くのご家庭に関係する暑さ対策です。
ハスキーなど厚い被毛の犬も油断できません
シベリアンハスキーや秋田犬など、寒冷地にルーツを持つ犬には、厚い被毛を持つ犬種がいます。
被毛には外の熱から皮膚を守る役割もあるため、「毛が厚い=必ず暑さに弱い」と単純には言えません。一方で、暑い環境では体にたまった熱を外へ逃がしにくくなる場合があり、厚い被毛を持つ犬も高温時には注意が必要とされています。
暑いからと自己判断で極端に短く刈り込むのではなく、こまめなブラッシングで抜け毛を取り除き、エアコンや日よけで室内環境そのものを整えることを優先しましょう。
大切なのは犬種だけで判断せず、その日の気温、湿度、運動量、被毛、体調を合わせて見ることです。
子犬・シニア犬・肥満傾向の犬も注意
犬種だけでなく、年齢や体格も暑さへの対応力に関係します。
子犬
成犬と比べて体調が変化しやすいため、暑い場所へ長時間置かないことが大切です。ケージを窓際へ置いている場合は、午後の日差しも確認します。
シニア犬
年齢を重ねると、持病や足腰の状態などによって、暑くなっても自分から涼しい場所へ移動しにくいことがあります。いつも寝ている場所が夕方に暑くなっていないか確認しましょう。
肥満傾向の犬
研究では、体格の状態を示すボディコンディションスコアが高い犬ほど体温が高くなる傾向が示され、肥満は呼吸による放熱にも影響する可能性が指摘されています。
犬種名だけでなく、「年齢」「体格」「呼吸状態」「持病」まで含めて、その子に合った暑さ対策を考えることが重要です。
愛犬が留守番する部屋で確認したいこと
飼い主さんが家にいるときより心配なのが、仕事や買い物で愛犬だけが留守番する時間です。
朝は涼しかった部屋でも、午後になると西日が入り、窓際や床の温度が上がることがあります。エアコンの設定温度だけでは、その場所が実際にどれくらい暑くなっているか分かりません。
外出前に確認したいポイント
- 犬が過ごす床付近の温度と湿度
- 午後に直射日光が入る窓
- エアコンの風が届きにくい場所
- 涼しい場所へ自由に移動できるか
- 新鮮な水を複数か所に置いているか
- ケージやベッドが窓際に固定されていないか
「エアコンを何℃に設定すれば絶対安全」という数字だけで考えるのではなく、愛犬が実際に過ごす場所を基準に確認することが大切です。
外付けシェードで犬のいる部屋の西日を遮る
犬が過ごす部屋へ強い西日が入るなら、すぐに窓リフォームを考える必要はありません。まずは、窓へ熱が入る前に日差しを遮る方法から試してみましょう。
- 外付けシェード
- すだれ・よしず
- オーニング
- 遮熱カーテン
- 遮熱ブラインド
特に外側で日差しを遮る方法は、ガラスやサッシ自体が熱くなる前に対策できるのが特徴です。
対策後は、犬がいつも過ごしている床やベッドの近くに温湿度計を置き、実際に変化があるか確認してみましょう。
毎年暑い部屋なら窓断熱も選択肢に
シェードや遮熱カーテンを使い、エアコンも適切に運転しているのに、毎年同じ部屋が暑くなる。その場合は、窓そのものの断熱性能を確認する方法があります。
古い一枚ガラスやアルミサッシの窓では、外の暑さや日射の影響が室内へ伝わりやすくなります。
内窓は、今ある窓の室内側にもう一つ窓を取り付け、窓と窓の間に空気の層をつくる方法です。この空気層によって熱が伝わりにくくなり、冷房で整えた室温を保ちやすくする効果が期待できます。
ただし、内窓を付ければ愛犬の熱中症を防げるという意味ではありません。
エアコン、水分補給、日よけ、犬の体調確認を基本にしたうえで、窓から入る熱を減らすための住まい側の対策として考えることが大切です。
よくある質問
Q.フレンチブルドッグやパグは、ほかの犬より暑さに注意が必要ですか?
はい。短頭種は鼻や喉の構造によって呼吸で熱を逃がしにくい場合があり、熱関連疾患のリスクが高いことが研究でも報告されています。
Q.チワワも暑さに弱い犬種ですか?
チワワだから特別に熱中症リスクが高いとは一律に言えません。ただし、どの犬種でも高温多湿の環境では熱中症になる可能性があります。床付近や窓際など、実際に過ごす場所を確認してください。
Q.犬のためにエアコンは何℃にすればいいですか?
犬種、年齢、健康状態、湿度などによって適した環境は異なります。設定温度だけで判断せず、実際の室温と愛犬の呼吸や行動を確認してください。持病がある場合は、かかりつけの獣医師へ相談しましょう。
Q.内窓を付ければ夏も安心ですか?
内窓は外の熱を室内へ伝わりにくくし、冷房が効きやすい環境を目指す方法です。ただし、愛犬の健康管理に代わるものではありません。空調、水分、日よけ、体調確認と組み合わせてください。
まとめ|犬種だけでなく、その子と部屋を見る
同じ犬でも、暑さへの対応力は犬種、年齢、体格、呼吸状態、持病などによって異なります。
特にフレンチブルドッグやパグなどの短頭種、シニア犬、子犬、肥満傾向の犬、厚い被毛を持つ犬では、暑い時期の室内環境をいつも以上に確認しておきたいところです。
まずは、愛犬のいる高さで室温を測る、水を用意する、涼しい逃げ場所をつくる、西日をシェードやすだれで遮る、といった対策から始めましょう。
それでも毎年同じ部屋が暑い、エアコンを使っても窓際の熱気が強いという場合は、窓の断熱性能を見直すことも選択肢です。
対応エリア内の現地調査・お見積もりは無料です
愛犬が過ごす部屋の日当たり、窓の方角、ガラスやサッシの状態を確認し、まず日よけで対応できるのか、窓断熱まで必要なのかを整理します。強引な営業は一切ありません。
※愛犬の体調、持病、適切な室温については、かかりつけの獣医師へご相談ください。